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事務局より

清水真哉

 法務省は刑法を改正して「自動車運転過失致死傷罪」なるものを新たに設けることを検討しています。業務上過失致死傷罪の最高刑が懲役5年であるところを、自動車運転過失致死傷罪では懲役7年になるところから、厳罰化として歓迎する向きもあるのかも知れません。しかし本来、刑の重さという点では懲役20年ながら、要件が厳し過ぎて適用され難い危険運転致死傷罪を改正すべきであるはずです。自動車運転過失致死傷罪はあくまでも過失であり、危険運転致死傷罪は故意犯です。酒気帯び運転はどんなに微量でも故意の行為な訳ですから、すべからく危険運転致死傷罪で取り扱うべきです。危険運転致死傷罪から「正常な運転が困難な状態で」といった不当な制約を除くことこそが、ふさわしい改正事項であったはずなのにせっかくの機会を逃し、新たな罪名を作ることにより自動車事故関係の法制度を不必要に複雑化してしまいます。極めて遺憾なことです。